12月
人混みの中でぶつかってしまった時
「すみません」の言葉がすぐ出てこなくて
嫌な人になってしまうのってもう何回目だろう。
逆に舌打ちをされて、悲しくなるのも。
寒くなって着込む枚数が増える度に、自分がなんだかすごく冷たい人に思えてきてしまう。
元々優しくも美しくも暖かくもないのだけれど。
そして冬になるとなぜだか去年の私を思い返してしまうな。
去年の今頃、なにをしていたんだっけ。
誰と話していたんだっけ。
何が好きでなにに夢中で、どんな夢を見て眠っていたんだっけ。
あれだけ苦しいことや楽しいことがあったはずなのに、所々しか思い出せないな。
それほど私は空っぽだったのかもしれなかったと今更気がついても、なにも残りはしないのに。
もう終わったことや、変えられないことばかり、みんな気にして生きていくし
幼少期の私を不憫に思ってしまうのは何歳になったらやめられるんだろう。
かさぶたを剥がしてまた自分で傷口を開くみたいなさ
そんなのは、もうやめにしようね。