Ps;金木犀
秋になったね。
外に出て、息を何回も深く吸って、やっぱり秋は好き。
どこかの記憶を思い出しそうな、懐かしいような匂いと、足を運ぶたびにくしゃくしゃなる枯葉の音と、やけにキラキラ光る川と同じ速度で進むトンボも。
風が吹くたびに、チラチラ落ちる葉も、その赤 黄色も、全部 本当にすき。
何回もシャッターを切って、犬に見せて、立ち止まってまた深呼吸して。
私が大切にしたいと思う瞬間はいつもこういう時だったなって、忘れかけていたけど
また気がつく事ができて、嬉しかった。
後、犬が冬を越そうと自分の毛をどんどんモコモコにしていくのも
本当に。
全部、愛おしい。
金木犀の匂いは今日はしなかった。
地元に帰ってから金木犀の匂いはしなくなって、それがどんなイメージだったか、どんな形のものか 分からなくなった。
どんな匂いだったっけな、甘かったのは覚えているのに。
都会に住んでいたときは、外を歩くことが多くて
外の匂いを自分の日常に取り入れることが多かったのに
車の中だけだと、分からないよね。
たくさん外を歩ければいいのに、ついついだらけてしまってダメだな。
秋にたくさん咲いている、ふわふわの葉の名前、あれ なんだっけ
私の目の前で一生懸命お尻を振って歩いている、犬の尻尾がそのふわふわにそっくりで
それがとってもとってもおかしくて、可愛くて、1人で笑っちゃった。
こういうの誰かに知らせたくて、でも誰でも良いわけじゃなくて
そうだったんだ、良かったね。とか、じゃあ良い1日だったんだね。とか、
言って欲しいな、なんて思うのは私のわがままなのかな。